■作業内容と照明の条件
工場内や屋外の夜間作業などで自然光による十分な明るさが得られない場合は、当然ながら人工的な光源を用いた作業用の照明を必要とします。そして自然光とは異なる人工的な照明の元で作業を行う場合には、その仕事内容に合った条件を把握して、照明内容の目安とポイントをよく確認しておくことが大切です。
ここでは、一般住宅の照明環境や規格とは別な観点で “仕事に関わる灯り=作業照明”における工場内での移動使用や手元照明(局部照明)を取り上げ、蛍光灯と電球それぞれの全光束(lm)と光源から作業面までの距離に於ける照度(lx)の一覧表によって、最も仕事に合った明るさや安全装具としての作業照明選びができるように要点を纏めたもので、bansei.com
提供の“ohyohtoh®応用灯”にかかわる「つくる・うる前の情報提案」の一つです。
(*比較表の対象は蛍光灯と白熱電球を基準としてあります。高効率のハロゲン球・HIDランプや進化の著しいLED光源及び反射鏡(リフレクター)使用の光源などは単純比較ができませんので参考としての記載です。)
(1)照明の明るさについて
照明の明るさに関係して良く使われる用語としては、「定格電力(W):ランプの消費電力」・「全光束(lm):ランプから放射される光の量」・「照度(lx):照らされる作業場所の明るさ」などがあります。ここでは、作業内容や安全装具として照明の条件を選ぶのですから細かな説明は抜きにして、各種ランプの明るさを比較する下表の“定格電力”に対する“全光束”の数値と移動使用する場合の光源から作業面までの距離に於ける“照度”(lx)を基にして、身近で使用している照明の明るさと比較検討するのが理解しやすく簡単です。
なお、作業場所全体の明るさ(全般照明)については、作業する場所や仕事の内容に適した照明の明るさを確保しなければなりません。
この目安となる値としては、JISーZ9110-(2000/6確認)規格の“照度基準”で作業の内容と明るさの基準を確認してください。
・【事務所の照明:Z9110-付表1事務所】 オフィスなど、場所と作業内容に於ける必要照度です。
・【工場の照明:Z9110-付表2工場 】 場所と仕事内容で明るさや光の色にも配慮が必要です。
・【船舶の照明:Z9110-付表13船舶 】 通常の工場照明に比べると相当暗い基準となります。
これらの規格にある照度(lx)と分布については、照らされる面の明るさと範囲、照明器具と照明位置や作業の内容で、その明るさや照明手段を決定しますが、ここでは“全体(全般)照明の明るさ不足”を補う目的である作業補助照明として、“ストロングライト™や応用灯®”シリーズの手元(局部)照明や部分照明に限った説明です。
なお、照度に関係するJIS規格としては以下の規格などが参考になります。
【照度計:JIS C 1609】 【照度測定方法:JIS C 7612 】 【鉄道車両の照度:JIS E 4016】
【船舶の照度基準:JIS F 8041 】 【一般照明用電球:JIS C 7501:】 【蛍光ランプ(一般照明用):JIS C7601】
(2)照明光のまぶしさについて
JIS規格では、“グレア”と呼ばれ、白熱電球のフィラメントやLEDの発光部分のように輝度が高い点が見えることやミラーの反射で起こる見えにくさ、つまり「まぶしい」「見えにくい」と感じることです。工場全体を照らす照明では、照明角度や距離でグレアの影響を防ぐことができますが、手元照明や部分照明に用いる作業灯/ハンドランプでは、特にグレアの程度が作業の効率や安全性に大きく影響します。
グレアの影響が少ない作業灯の形状としては、蛍光灯のように管状の表面発光であって発光面積が広いものほど、グレアによる悪影響が生じにくいと言えます。
なお、グレアの発生で注意が必要なものとしては、白熱電球やハロゲンランプ及び、LED発光や電球タイプの蛍光灯を用いたハンドランプのように、発光部が点や球状となったものはグレアの影響があり、手元照明(局部照明)
として使いにくいと言えます。
(3)照明による“カゲ”の影響
何かの光である物を照したとき当然ながら光を遮る物があれば“カゲ”が生じます。そこで、作業照明を考える場合には“二通りのカゲ”についての対策が必要です。 “二通りのカゲ”とは、大きな機械のメンテナンス現場で良く体験する作業照明の“影=光を遮るカゲ”と“ 陰=隠れて見えないカゲ”の二種類のカゲがあり、それぞれの対策が必要ということです。
具体例として大きな飛行機の整備を例とした場合、整備工場の天井からの全般照明では、翼や機体の下は“光を遮る影”で薄暗く、更にその翼や機体の内部は“隠れて見えない陰”で真っ暗となります。また、トンネル内の作業例にしても作業場所を一方向から照らしたのでは、“影=光を遮るカゲ”の向こうは真っ暗など、類似の体験は誰にでもあることと思われます。
そこで、バンセイが上のイラストでお勧めしている“作業灯は二灯流”の安全対策です。危険な作業場所では、複数の照明を使って“カゲ”の無い作業照明環境に改善するものです。そして、電源もそれぞれ別の系統に接続することで一回路で停電が発生しても、作業場所が真っ暗闇になって引起される二次的な災害を防止するものです。
(*ストロングライト™は手持ち作業灯の他、移動スタンドに取り付けて最適な角度・方向・高さから照明できる物もあります。)
(4)光源・光色による色の見えかた
昔!? 照明は明るければ良いとされ、印刷や色彩検査の現場など特殊な業種や作業を除くと、照明による物や色の見えかたについては、あまり関心が持たれていなかったように思えます。反面、化学プラントなどの爆発性危険場所においては、明るい照明が必要であっても照明器具の発熱などの問題から、消費電力に制限があり十分な明るさや光色で作業できない悩みもあります。特に化学的な反応や加工状況を色で確認する場合、乾電池式の懐中電灯では電池の消耗により色温度が変わってしまう問題もありました。
また、最近は食材などの受け入れ、工業材料の品質確認、部品や製品の識別検査など“品質確認には、まず光で目視”が励行され、手持ちで自在に照明できる“演色性の良い光”の要求も多くあります。
“演色性の良い光”つまり光の色と光による色の見えかたの良し悪しですが、詳しくはJIS規格 Z8726
光源の演色性評価方法などで確認するとして概略は次のようにご理解ください。
“光の色”については、光源の種類=白熱電球・蛍光灯・LEDなど光源によって異なります。そして光の色は「色温度(K):ランプの光の色特性」で、「Kが高い=青白い・Kが低い=赤味かかった色」となります。
“色の見え方”は、ランプの「演色評価数=色の再現性指数」で異なり、演色評価数100に近いほど自然に見えます。しかし目視の場合には、明るさと演色性の程度で人の目の感じ方も異なりますので、作業内容によっては“標準の色見本”などを用いて、明るさと物の見え方を確認しておく必要があります。(作業者の視力や色彩感覚で誤差が生じるので標準の色見本で比較確認すると安全です。)
(*同じ明るさであっても電球・蛍光灯・LEDなど、その光源によって“色の見え方”が全く異なるので注意が必要です。演色評価の基本は、午後3時頃に室内北側の窓からの光で見た物の“色の見え方”を基準にします。)
“色の見え方”の詳細は、以下の資料を確認するなどしてください。
・【表面色の視感比較方法 : JIS Z8723】
・【光源の分布温度及び色温度・ : JIS Z8725】
・【ハンドランプに関する安全性要求事項 : JIS C8105-2-8】
・【照明用白色発光ダイオード(LED)の測光方法:JIS C8152
“作業灯の光”について、蛍光ランプには電球色や昼光色など様々な光色の種類があり、その光の種類によって物の色が異なって見えます。これらを利用した“視感比較”による品質検査は多くの業種で利用しているほか、最近の作業照明では明るさばかりでなく“演色性の良い光”とか“爆発性の危険場所で使う”などの厳しい要求も多くあります。
主な手持ち作業灯の用途は、修理・点検・検査など直近の物を目視して判断するのですから光の演色性が重要であり、特に作業現場における“警告色”や“識別色”など、警告表示をはじめとする配線色・配管色・容器/ボンベ色などは、照明器具の導入時点でその見え方を確認しておく必要があます。特に発展途上のLEDを利用した照明では、安全対策上から照明対象物を視感比較して確認しておく必要があります。
“確認が必要な例”としては、
・【警告表示】・・・・・ 警告ラベルなどの警告色・・・・・ 赤と黄赤や黒 ・黄色とオレンジや白 ・緑と青や黒などの見え方に注意。
・【回路の識別】・・・ 電線や配管の識別色 ・・・ グレーや空色などの中間色 ・・・ 特に本質安全防爆の配線色に注意。
・【容器の識別】・・・ ガスボンベなどの色 ・・・ 赤(水素) ・アセチレン(褐色) ・グレー(プロパン)などの見え方に注意。
ストロングライト作業灯のBANSEIでは、これらの要求に応じられるように下表のとおり多くの種類を揃えてご相談に応じています。
【注意】説明文内のJIS規格は2007年7月時点で有効ですが、ISO整合による呼称変更などがありますので資料収集時にはご注意ください。
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