防爆電気設備の基礎

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  このページにおいて防爆対策の基礎を全て説明するには、その情報量からして困難があります。
また、危険雰囲気の場所で直接作業に携る皆さんは、防爆や電気工事などの知識や資格が必要ですので、既にその講習を受講したり、関連の資格を有しているものと思われます。
 斯様なことから、ここで説明する内容はbansei.comページ掲載の製品を対象にして、その取扱いに関わる要点を中心に説明してありますので、防爆機器全体の説明としては至らない部分があることをご了承ください。
 なお、更に詳しい防爆関連の情報収集には、防爆機器の取扱注意と保全に移動するかweb上に公開されている様々な説明や資料に簡単アクセスできるよう
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危険場所について           
 
化学工場などの防爆電気設備に使用される機類は、爆発性雰囲気など危険な作業環境で使用することから、安全確保のためには決して欠くことができない機器として、防爆対策機器の使用が法的に義務付けられています。
 対象となる主な作業場所としては、石油・化学プラント、ガス・ガソリン・薬品等の取扱所をはじめ、塗装や溶剤洗浄作業を行う場所のほか、その貯蔵・保管施設など、あらゆる危険物を使用する設備・工場などが対象となります。また、最近では燃料電池や電気自動車の研究施設などもあります。
 
そして、“危険場所”の呼び名のとおり一度事故が起こると、その仕事に携わる作業員や建物・設備に甚大な影響が出るばかりでなく、その周辺にも拡大被害がおよぶことがあるため、慎重かつ万全な防爆対策が必要になります。このため、防爆対策には危険領域、レベル、対象物質などによって細かく規制や基準があります。

【漫画の危険場所について】
 イラストは、爆発の危険性を説明した“誰でも陥いり易い危険場所”です。
 まず、スプレーガスやOILが存在する“爆発性雰囲気”の中に“裸電球が着火源”としてあります。そしてこの場所が、屋外や換気の良い室内の場合・換気の悪い室内の場合・換気の無い室内の場合とした条件にあてはめると、それぞれ危険場所の2種・1種・0種にあたり、とても裸電球で照らして作業できる作業環境ではありません。
 つまり、何処にでも見られるような作業現場も
“爆発性雰囲気”になると“危険場所”なのです。また、猫が倒れているのは、そのガスの種類や密度と位置によっては“部分的な危険場所”になり注意が必要と言うことです。

使えるものの条件
 
電子や電気設備が原因で爆発または火災が発生する"危険場所"の条件として「爆発性雰囲気」と「点火・着火源の存在」の二つがあります。
「爆発性雰囲気」は、危険場所に爆発性のガス,蒸気や可燃性粉塵などが存在し、その空気に対する濃度が爆発限界内にあること。
「着火源」は、電子・電気設備で対象となる爆発性ガスに点火する能力がある電気火花(アーク・スパーク・静電気)や金属工具や機器類の衝撃火花が発生、または過熱による高温部が存在することがあげられます。
 この様な作業環境の基本的な防爆対策としては、爆発性雰囲気の生成と電気設備が着火源となるのを実質的にゼロとなるような小さな値以下に保持する(本質安全)か、機器の内部で爆発が発生しても外部に爆発が及ばない構造(耐圧防爆)などが備わった機器が必要となります。
また、これらの防爆構造機器の他にも、内圧防爆・油入防爆・安全増防爆・特殊防爆などいろいろ規格があるほか"危険場所"で使用する"工具類"に至るまで"防爆用とか非着火性"を選んで使用する必要もあります。

規格や基準
1・防爆規格
  このサイトでは以下の規格や基準が関係しますが、説明は要点のみです。詳細を調べる場合は、文末に列記の【BANSEI索引かかわり検索キーワード】を利用して関連情報を探してご覧下さい。

A)〔社〕産業安全技術協会(厚生労働省指定の防爆型式検定代行機関)
 「防爆」は大きく分けて厚生労働省所管の電気機械器具防爆構造規格「工場防爆/防爆構造規格」と技術的基準「IEC整合/技術的基準」の二通りがあります。この他、経済産業省所管の「電気設備技術基準」や日本工業規格=JIS規格の舶用防爆や炭坑用(廃止)などもありますが、ここでは「工場防爆/構造規格・IEC整合/技術的基準」に基づき、携帯電灯・コンセント・耐圧防爆構造蛍光灯ハンドランプを例に説明します。
 なお、これらを工場の“危険雰囲気”中で使うには、「工場防爆」の検定や認証合格品(防爆の表示が労検やEx・EEx)がなければ使用できません。
*製品表示例:耐圧防爆構造蛍光灯ハンドランプ《d2G4/検定合格番号 43726号》 

B)IEC規格:IEC(国際電気標準会議)が制定した国際規格「IEC79」
 電気機械器具防爆構造規格における可燃性ガス又は引火性の物の蒸気に係る防爆構造に適合する電気機械器具と同等以上の防爆性能を有するものの技術的基準でIEC79 関係の「技術的基準」です。(防爆の表示がEEx)
*製品表例:防爆型コンセント《EExde IICT6 / NO.276.136》

C)CENELEC規格(欧州電気標準化委員会) 
 ヨーロッパの電気機器に関する規格の中の防爆規格。さらに本質安全防爆としてFISCO、ENTITYがあります。また、CEマーキングATEX(防爆)指令では防爆性能だけではなく品質管理体制の監査などが加わります。(防爆の表示がEEx・参考:米国NECの場合は「AEx」)
*製品表例:防爆型携帯電灯 《EExiae IICT6 / NO.95D6041》

日本の工場で使用する防爆機器は「防爆構造規格」か「技術的基準」または、両方の規格に基づいて製作された物を電気設備技術基準や消防法に基づいて設置して使用することになります。

これらの日本国内防爆検定品には、「TIIS防爆」英文の場合はTIIS Certification あるいは「労検防爆」の表示と番号が表示してあります。

2・危険場所とは,
 
爆発性雰囲気の生じる可能性のある場所で、そのレベルによって3通りに分かれます。とくに"0・ゼロ種"の場所は、危険性が零ではなく"最も危険な場所"ですので、ご注意ください。
漫画のレベルは、その場所と条件によってA)〜C)に変わります。(電球無しとしてです。)

A)1種場所とは、通常の状態において、危険雰囲気を生成するおそれがある場所をいい、電気機器の選定においては、耐圧防爆構造か本質安全構造の製品を使用します。

B)2種場所とは、異常な状態において、危険雰囲気を生成するおそれがある場所をいい、電気機器の選定においては、耐圧防爆構造をはじめ各種の防爆構造が使用できます。

C)0種場所とは、危険雰囲気が通常の状態において、連続または長時間持続して存在する場所で、電気機器類は使用しないか“本質安全防爆構造のia ”しか使用できません。

3・防爆構造について
 
工場や事業所において、爆発性ガスや蒸気の危険雰囲気中では、一般の電気機器は使用できません。必ず、防爆構造の検定や認証のあるものを使用しませんと、電気機器が発生する花火、発熱によりガスや蒸気に引火し爆発する危険があります。
 このような危険場所で使用できるのは、厚生労働省指定の型式検定代行機関である〔社〕産業安全技術協会の検定に合格し、認定された電気機器の「防爆構造」または「技術的基準」の製品です。(外国から輸入した製品も認定されていることが必要です。)
 また、防爆構造にはその電気機器の防爆構造分けに応じて使用可能なガスの種類が定められ、6種類の構造と等級に分類されています。(英小文字)は、防爆構造の記号です。

A)耐圧防爆構造記号()=全閉構造の容器内部で可燃ガスの爆発が起こった場合に、容器がその圧力に耐えて、外部の爆発性ガスに引火するおそれのない構造です。

B)内圧防爆構造記号()=容器内の保護ガスを外部の気圧より高めてi維持するものと、容器内のガスの濃度を爆発限界より低いレベルにすることによって防爆性能を確保する2通りの防爆構造方式です。

C)油入防爆構造記号()=点火源となる電機機器部分を油中に浸し、外部に存在する爆発性雰囲気から遮断して点火しないようにした防爆構造で、爆発等級に関係なく使用できます。

D)安全増防爆構造記号()=正常な状態で点火源となる恐れがないものの絶縁性能、並びに温度の上昇による危険と外部からの損傷等に対する安全性をより高めた構造です。

E)本質安全防爆構造記号(/ia/ib)=正常時及び事故時に発生する火花や高温部により爆発性ガスに点火しないことが、公的機関において試験や確認された構造です。

F)特殊防爆構造記号()上記以外の構造で、爆発性ガスの引火防止ができることを公的機関において試験や確認された構造です。

4・爆発等級について
 
爆発性ガスの火炎逸走限界の値とガスの発火点の範囲によって等級が決められます。
等級は構造規格に於ける防爆構造容器の接合面の隙間と面積による等級と技術的基準のガス・蒸気のクラス分けによりますが、機器の選定に於いては、使用する場所の対象となるガスや蒸気の危険特性分類表の爆発等級またはガスのグループ分けで判断します。とくに、爆発等級3に関しては、対象物に着火するのに要するエネルギーの大小によりa・b・cと分れています。

 構造規格(爆発等級)  技術的基準(グループ)
  火炎逸走限界    IIA ガスの分類 
 2 火炎逸走限界   IIB ガスの分類 
 3 火炎逸走限界    IIC ガスの分類 

5・発火度及び温度等級について
  電気機器を使用したときに、その表面(耐圧防爆では内部も)に可燃性ガスや蒸気が触れて発火しない温度=防爆機器の表面温度がガスや蒸気の発火温度以下までしか温度上昇しないグループに分けた記号。構造規格と技術的基準では、概ね同程度の温度として選択できますが、その温度範囲選択は、爆発性雰囲気に於けるガス種類の発火点温度の確認が必要です.。 
  また、温度等級(技術的基準)の温度は、防爆機器の表面最高温度です。以下の発火度・温度等級の番号は大きいほど爆発し易いガスであるということです。 

〔発火度の分類表〕 

発火度(構造規格) 発火点(発火温度)〔℃〕 許容使用温度〔℃〕   温度等級
(技術的基準)
最高表面温度の
許容範囲〔℃〕
G1  450 以上  360 T1  300を超え450 以下
 G2   300を超え450 以下  240 T2  200を超え300 以下
3G  200を超え300 以下  160 T3  135を超え200 以下
G4  135を超え200 以下  110 T4  100を超え135 以下
G5  100を超え135 以下 80 T5   85を超え100 以下
G6   85を超え100 以下   70 T6          85 以下  

6・製品やカタログの記号表示について


以上の要約説明から、防爆機能を示す記号の組合せ表示例です。構造規格と技術的基準を上下対象に並べて、その内容が殆ど同じであることを説明してあります。

                                      
 ▼〔工場防爆/防爆構造規格〕耐圧防爆構造蛍光灯ハンドランプの例
 《説明5》 発火度(温度等級) −−−−−−−−−  
 《説明4》 爆発等級(グループ)−−−−−−↓   ↓
 《説明3》 防爆構造種類2 −−−−−↓   ↓    ↓
 《説明3》 防爆構造種類1−−−−↓ ↓   ↓   ↓
 《説明1》 防爆記号−−−−↓   ↓ ↓   ↓   ↓
                   なし  d    2   G4
 ====================================================
                     Ex  d e  IIC   T6
 《説明1》 防爆記号−−−−↑  ↑ ↑   ↑   ↑
 《説明3》 防爆構造種類1 −−−  ↑ ↑   ↑   ↑
 《説明3》 防爆構造種類2 −−−−−↑   ↑   ↑
 《説明4》 グループ(等級) −−−−−−−  ↑   ↑
 《説明5》 温度等級(発火度) −−−−−−−−− ↑ 
 ▲〔IEC整合/技術的基準〕国際基準・防爆型コンセントの例
 *この他、IECやCENELEC規格では、防爆記号を“EEx”と表示して組合表示します。

 7・IP保護等級(IP Protection Rating) について
防爆規格や基準内容の爆発や着火に直接関係しませんが、機器内部への固体異物(粉塵など)や水の侵入に対する保護の程度を示す方法として、IEC 60529で規定された保護等級です。JISでもC0920に定められています。これは、それぞれが固体と水に対する保護の程度ですので、2つの数字の組み合わせによって表記されます。本来は手や指による接触範囲などの定義もありますが、ここでは防爆機器に関係する大きさの保護等級部分のみを示します。なお、防爆機器に於ける粉塵や水の侵入による影響としては、絶縁不良・漏電・発熱の発生原因となり着火源となるからです。
例・IP66の場合は、IP=異物侵入保護、十位の=個体の条件、一位の=水の条件です。

◎粉塵など固体に対する保護:第1特性数字(十位)
 IP4x  直径 1.0mm 以上の固形物体、細いワイヤなどに対する保護 (直径 1.0mm のワイヤが侵入しない)
 IP5x  塵挨の侵入の制限 (正常な動作や安全性を阻害するような粉塵の侵入に対する保護)
 IP6x  防塵 (塵挨に対する完全な保護)

◎水の侵入に対する保護:第2特性数字(一位)
 IPx3  鉛直から 60°以内からの散水に対する保護
 IPx4  任意の方向からの散水に対する保護
 IPx5  任意の方向からの水の噴流に対する保護
 IPx6  任意の方向からの水の強い噴流に対する保護
 IPx7  一時的な水没に対する保護
 IPx8  加圧条件下での長時間の水没に対する保護
JIS規格 C0920(
電気機械器具の防水試験及び固形物の侵入に対する保護等級)では、水の浸入を許容していません。

8・規格遵守と保守管理の重要性
 漫画で説明のとおり工場の危険場所については、爆発性雰囲気が常時存在するわけではなく、その場所の異常時や特別な作業内容のときにだけ、爆発性の物質が存在する可能性があるような条件が多いこと。
 また、爆発性雰囲気の発生と機器の故障やメンテナンス作業が同時に起きたり作業を行う確率はとても低いことが言え"確率・コスト・合理化"などの面から見ると、防爆対策への投資は、"滅多に起きない・贅沢な・無駄"とも取られかねません。
 しかし、原因がどうあれ爆発による災害が一旦起きると、その拡大被害範囲は過去の災害例からして説明するまでもなく、爆発性雰囲気が存在する作業場所の安全確保は、法や規格の遵守がなければ絶対にありえません。
そして、規格や基準に適合した防爆機器を使用するには、その機能性能が正常状態を保つように保守・点検・整備する"保全と管理"が欠かせません。
防爆機器の保全については、防爆機器の取扱注意をご覧下さい。
 

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【あ】IEC 79規格/国際電気標準会議・安全増防爆/油入防爆・IP保護等級/IP Protection Rating・IEC構造規格・応用灯/耐圧防爆構造蛍光灯ハンドランプ・防爆型携帯電灯・1本より軽いグレア・色で品質管理
【か】拡大被害防止・過熱/高温部・危険対象物質/危険雰囲気/危険場所・厚生労働省指定/型式検定代行機関・経済産業省/電気設備技術基準・ガスや蒸気の危険特性分類表/爆発等級/温度等級発火温度危険区域警戒用侵入監視装置ZAIRON
【さ】
産業安全技術協会・0、1、2種場所・舶用防爆/炭坑用/携帯電灯/ JIS規格/JIS C0930/JIS C0920I/JS F8009/JIS M7615/JIS Z9110・消防法・作業灯と色で品質管理ステッカーを少数・ZAIRONip/
【た】
耐圧防爆/特殊防爆・電気機械器具/防爆構造規格・電気設備技術基準・電気自動車/研究施設・着火源/発火点/引火点・電子の番犬タイキちゃん電線の整理整頓提案しながらの
【な】内圧防爆・日本規格協会・内線規程・燃料電池/ガス発電設備粘着タック試験仲間が誇るなかまぼっくす
【は】
爆発性ガス蒸気/可燃性粉塵・本質安全・ハタラキモノタロベ・bansei.com/保守管理作業照明選びのポイント・防爆電機設備/防爆構造規格・爆発性雰囲気/爆発限界内・FISCO/ENTITY・CEマーキング/ATEX防爆指令・PLlabel・発火度及び温度等級・包装材の再使用ヴァンセイ
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【や】
ヨーロッパ電気標準化委員会/CENELEC規格・ユビキタスより効果的に使うオプション品指で触れて汚れキズ絡み防止
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【わ】ワイヤ/電線リール/キャプタイヤケーブル・ワンタッチの青い電線リールワゴンの注文製作忘れた頃に再確認

【参考文献】工場防爆の資料としてお薦めします。
 ・工場電気設備防爆指針 ------------------------------(社)産業安全技術協会
・防爆構造電気機械器具型式検定ガイド--------(社)産業安全技術協会
・接続箱認定審査基準 -------------------------------(社)産業安全技術協会
・電気機器の防爆構造総則(JIS C0930)他-------------(財)日本規格協会
・電気施設管理と法規 ----------------------------------------------- 潟Iーム社
・電気工事と安全管理 ----------------------------------(社)日本電設工業会

防爆電気設備の基礎・M1225-3