作業安全と警告表示

警告ラベルはお守り札ではありません。

製造物責任法の『製造者等』の意味を良く理解して、警告表示に頼りすぎない製品安全対策が大切です。

完璧な警告表示デェ〜ス

警告の ラベル無いより 有るが良い

警告ラベルは貼って無いより有るが良い」とばかりに、安易な考えで警告ラベルや絵表示・絵記号(マーク)を表示すると、場合によっては「警告ラベルは、製品全体が危険であることの証明書」となってしまいます。
製品の用途や機能特性を良く把握し、製品本体・マニュアル・カタログなどの整合性を十分確認しておく必要があります。例えば、製品本体には警告ラベルが無くて、説明書の注意事項などに「ooの場合もあります。」などと危険の可能性を知りながら曖昧な表現で責任回避していたり、もしくは、製品本体には警告ラベルや注意をたくさん表示してありながら、マニュアルでは適切な危険回避や防御の指示が欠けているなど、『製造者等』が明らかに危険を知っていて安全対策していない「言い逃れ目的の欠陥表示」になる恐れが有りますので注意が必要です。(*『製造者等』の説明は、ここをクリックして下さい。

■安全目的の表示を考える
製品に潜在する危険原因は、薬品や原材料などを別にすると「製品全体のごく一部分のみ」と言えます。ですから、危険に接近や遭遇しないように操作や機能の補足説明や限界表示などの指示表示で、具体的に分かりやすく注意喚起を高めて安全確保する事が大切です。以下の例は、警告表示と組合せや併用することで更に注意喚起して、安全性を高めると考えられます。

1・回転や移動・・・・・・・前後左右の動きの文字指示を矢印やイラストなどで指示する。
2・圧力や容量目盛・・・・・・・・・安全な範囲を色分けや矢印などで指示して見易くする。
3・感電や高熱・・・電圧や温度の危険内容の表示や危険部分や範囲を色別表示する。
4・誤操作防止・・・・・・・・ハンドル操作に絵記号や色別及び方向指示とインターロック。
5・切断や挟まれ・・・・危険回避できる距離や箇所にトラテープや警戒・立入禁止表示。
6・取り付け接続・・・・・・・・・組立ゲージや合い番シール及び色別や合わせマーク表示。
7・原因の排除・・・・・・・封緘して触らせない・動力や電源を断つ指示・作業責任者表示。
8・位置・場所・範囲・・・・・危険部分の指示・危険個所の表示・作業や安全範囲の表示。
9・緊急時の対応・・・・・緊急時の手順表示・支援者への連絡や緊急ボタンの所在表示。
0・表示の維持管理・・・・・・誰でも何時でも確実に、目立って見易く解り易い表示を確保。

■表示の維持と規格について

いずれの警告や指示表示の規格に於いても、その表示を最良の状態で維持管理する必要性がうたわれています。しかし、製造者の手元を離れてからはその状態が把握できません。製造者として最低限できる表示の維持手段としては、取扱説明書の表示関連説明の冒頭に「ラベルが読みにくくなったり剥がれそうな場合は必ず修復して使用する」などと注意喚起しておくことをお薦めします。また、表示の維持を補完する目的からも、ラベルは本体貼付の他に予備を添付するか、その入手方法を知らせておく必要(アメリカANSI規格:Z535.4-10期待寿命及び保守・交換など)が有ります。

なお、表示の維持=耐久性試験などに関連したことで、「oo規格の試験に通っているか?」の言葉を良く聞きますが、以下に述べる事柄に留意して下さい。例えばラベル関係の試験として日本の「JIS K5701〜のインキの規格・JIS Z9101〜の安全色などの規格・JIS Z0237の粘着シート試験方法規格など」やアメリカの「UL969規格:マーキング及びラベリング・システム」が多く引用されていますが、このJIS Z0237規格などに於いてはその試験の方法であり、UL969規格に於いてはご存知ない方には驚きかも知れませんが、基本的な判読性を試験する部分のみを引用すると「親指でラベルの表面をゴシゴシ擦ることとポケットナイフの背でなぞって判断する」方法なのです。この他の試験については、JIS規格同様その試験方法で試験した結果や数値がどうなのか?なのであり、具体的な試験内容や数値が表示されない「oo規格試験」の合格!不合格!では、全く意味を成さないことなのです。BANSEIでは、ユーザーの皆様がラベルデザインから裏面粘着剤まで、webで簡易試験できるサービスを開発して公開しています。)

■PL法と警告ラベルの耐久性

『製造物責任法の警告表示をしたいので、丈夫で長持ちするラベルを作りたい!』とか『他社製品に貼ってあるのと同じように作れば大丈夫?』などのお問い合せなどが有りますので、ご参考までに。

ラベルは、フィルムや紙などの基材(ベース)・インキ・粘着剤などが組み合わされた構成であり、種類もメーカーも大変多く有ります。そして、ラベルとしての耐久性は、その組み合わされた構成の中で最も弱い特性で決まります。また、PL表示対策はあらゆる業種と製品が対象ですので、ラベルの使用環境や表示目的の内容によっても対応が異なります。これらのことからPL表示対策する用途全てに適合できて、製造物責任法の「期間の制限である10年」を完全に維持できる「多用途で高耐久力・長期安定」なラベルは、まず、ありません。
ですから、製品設計の段階で材料や部品を選定するのと同様に、ラベルなどの表示用材料も基材・インキ・粘着剤などを個々に特性調査や試験して選択おく必要があります。

ちなみに、「製造物責任法のラベル」とか「PL対策ラベル規格」と言われる法律や規格はありません。製造物責任法の条文では、第二条二項で「欠陥とは・・・当該製造物が通常有すべき安全性を欠いていることをいう。」とある中の「通常有すべき安全性」の中に取り扱い方法や危険回避の為の表示も含まれるので、製品に危険があるなら警告表示が必要であると言うことです。ですから、警告ラベルはお守り札?ではありませんし、ラベルを貼っただけで製品欠陥問題から責任回避できるものでもありません。

また、警告ラベルに関する規格については、アメリカの『ANSI Z535.シリーズ』が最も詳細な規格と言われています。日本では、新しくJIS S0101:2000規格「消費者用警告図記号」が発行されたほか、JIS Z9101規格などISO/IEC規格と整合が済んだ絵表示や色彩が規定されています。しかし、ANSI GUIDE Z535.や(*1・)PLマニュアルのように詳細な説明が得られるものは有りません。

ラベルデザインの最も理解し易い警告ラベルの製作手順書として、アメリカFMC社の『警告ラベルデザイナーズマニュアル』日本語第1版が多く利用されていました。しかし最近になり絶版となりましたので、入手は大変難しくなっています。(*1・文末に詳細を紹介してあります。)

この他、ラベルの簡易な特性確認方法としては、このページで「ラベルや粘着テープ類を試験して、用途・目的に適するか否かをwebを使いユーザーで確認する方法」を情報サービスしています。文末リンクボタンPLlabelラベル製作チャートの各試験サービス。)

 

関連の資料及び参考文献

(*1・)PL表示対策のバイブル的存在であった、1995年発刊したFMC社発行・DHC社出版の日本語版「PL警告ラベルデザイナーズマニュアル」は、2001年に絶版となりました。初心者にも大変理解し易いことから、警告ラベルとPL表示の在り方や考え方の教本や手順書として多くご利用頂いておりましたので大変残念です。斯様なことから弊社におきましても、PL対策についての相談者向け教本として確保してあります在庫が無くなり次第、供給できませんことをお知らせいたします。(この件につきましてお問合せなどありましたら hallo@bansei.com 宛てにメールにてご連絡ください。)

(*2)この情報は、1996年10月に「The Index 情報」から、メーカーの皆様が製品安全対策を考える上で役立ちそうな話題や資料を「PL対策に於ける表示関連の情報サービス」として提供したものの一部です。今回、製造物責任法が施行(1995年7月)されてから相当期間経過した最近の状況をふまえて更新しました。(内容は、あくまでも現時点で当社としての見解であり、将来の規格、規定、法律判断などと異なる場合もある事をご承知下さい。)

(*3)参考文献 ■「各JIS規格票及びハンドブック」・「ANSI製品取扱い説明書作成ガイドと安全標識警告ラベル」・「UL/ASTEM/FDA及びISO/IEC規格規格票邦訳版」---日本規格協会発行。■事故情報収集制度報告書---〔財〕日本消費者協会発行。■製造物責任法大系---発行所轄O文堂/鯉淵年祐発行。■ラベル表示とPL対策---(有)バンセイ発行。

この他の製造物責任法対策の話題は、・・・・・「なかまぼっくす」 

少数の警告表示ラベルなどの製作手段は、・・・「PLlabel 」 

こんなラベルの活用例もあります。・・・・・・・・・・・「包装材の再使用」

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