浸透探傷試験(ダイチェック)の評価には、確かな証拠をもって証明することが大切。
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A・精度向上 B・阻害要因 C・指示精度 D・現像剤膜厚 E手法の補足 作業環境

【I.】 CPIラベルの実証用試験片と用品
浸 透 探 傷 試 験    Penetrant testing
現 像 剤 の 塗 布 作 業 指 標    Coating Process Indicators 
  観察精度を上る実験を行うにあたり、実証実験に用いる試験片などの用品や評価方法の実例を紹介します。

 厳しい作業環境の検査ほど簡単で確かな確認の方法が必要。
SL-4150:下から上を照らす検査用作業灯です pdf

I. 浸透探傷試験規格関連の特性試験及び試験片について 
 「JIS Z2343-2非破壊試験−浸透探傷試験−第2部:浸透探傷剤の試験」及び、「JIS Z2343-3非破壊試験−浸透探傷試験−第3部:対比試験片」規格があります。
 浸透探傷試験の実作業でこれらの特性確認を行うには、試験に付随する設備や機器が必要であり、その面からも移動しながら染色浸透探傷試験を行う実作業現場で特性の試験や確認を行なうことは困難です。
 有限会社バンセイでは、CPIラベルを用いて染色浸透探傷試験の観察精度を向上する実験の提案を行うにあたり、既存の染色浸透探傷試験手順の規格規定などにこだわることなく、染色浸透探傷試験の作業現場で簡易に試験の精度と成果を最高に導き出す技法の確認、証明の方法として、新しい試験片などの用品や評価方法を開発して、その実例を紹介するものです。
 掲載内容は、一般的な技術情報の参考として公開してありますので、かかる情報の正確性、有用性又は適時性を含め、明示又は黙示に何ら保証するものではありません。また、情報の利用に関連する損害についても何ら責任を負いませんので、ご利用にあたっては、浸透探傷試験の観察評価精度を向上するヒントとご理解のうえ、知的財産権に配慮のうえご利用ください。

      
実証確認に用いた試験片    試験用具は全て“移動”ができること。  実証確認に用いた試験片 
*参考:試験片の使用例として、試験報告の精度を証明する場合、試験片を併用することで誤差を比較証明することができます。
*このページで紹介の試験片は実験を行なうのための参考として公開していますので、販売はしておりません。
 
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 I.1.共通できる試験技法
 染色浸透探傷試験を様々な業務分野で検査・試験・評価の目的で利用するには、それぞれの分野全てに共通して確認できる試験技法が必要となります。 CPIラベルを使った試験の評価(インスペクション)は、これまでに無かった新しい手法であり、JIS規格はもとより他にもその効果を手軽に確認する術がありません。
 ここに提案紹介する試験片例は、全て実験室レベルで再現可能な試験手法として開発した中から、各種試験体の欠陥検出に共通して応用できるものとして、染色浸透探傷試験を行う実作業現場で使用できて、汎用性がある方法を紹介してあります。(*紹介の試験片は実験を行なうのための参考として公開していますので、現在のところ販売はしておりません。)
I.2.現像剤膜厚さの指標とは
 染色浸透探傷試験は各種非破壊検査の中の一種ですが、とくに染色浸透探傷試験の手法は特別な機器類を使用することなく、ごく簡便に様々な材質の表面欠陥試験確認ができることから、JIS規格等の非破壊検査規格や業界団体の技術資格認証等の範疇はもとより、様々な業務分野で自主的な検査・試験・評価用として手軽に使用されています。
 既に半世紀以上の実用実績があって、ほとんどのノウハウが出尽くした試験技法なのですが、染色浸透探傷試験の観察判断が定性的であることから、定量的な成果を得たいとの要望も多くあります。
 BANSEI®では、CPIラベルを「染色浸透探傷試験における現像剤の塗膜厚さの指標」として、染色浸透探傷試験精度の要となる現像剤の塗膜厚さを定量的に確認できる方法を開発し、8段階で現像剤の塗膜厚さレベルを示すことができ、CPIラベルを適用することで、時間と定量化された膜厚レベルの組み合わせで構成した試験ができ、その観察結果の正確さと経時変化把握などへの応用から発展的な検査目的に活用出来るようにまとめました。
I.3.試験片の条件・エビデンス 
 CPIラベルを使った染色浸透探傷試験例を特定の工業分野や業務のみを対象にしますと、他の目的には応用が難しい面もありますので、実証試験は全て実験室で再現可能な試験を対象に(1)現像剤膜厚レベル確認、(2)現像剤膜厚形成管理、(3)現像結果と試験内容記録の3用途を目的に行いました。
 検査の工業分野や試験対象によって必要とする試験内容は、人工的に製作した欠陥のみからでは“それぞれに限界や特徴”があり溶接や疲労割れで生じる様な自然キズを模した人工的なキズは、甚だ製作が困難であり試験や評価の基準見本としても現実的ではありません。
 紹介の試験片は、CPIラベルのエビデンスを実証試験するために開発した物で、何れも小型で平面形状であり繰り返しの試験再現が確実に行えるものなので、写真は試験内容の例ですが、業種によっては実際の試験作業感覚と異なるなどの難点があります。それぞれの工業分野で用いる理想的な確認用試験片としては、対象の業種や業務の検査現場に於いて、これまで実際に把握できた「欠陥や変化」の現物を見本にするか、精巧なレプリカなど立体的な試験体見本を用いるのが望ましく、それらが整わない場合には実際の試験現場に於ける欠陥写真集など、試験適用の実感が良く把握できる方法と併用されることをお薦めします。

浸透液試験片:検査の現場で浸透液の特性を確認。   
 
目的と効果:JIS Z2343-2:浸透探傷剤の試験と異なり、非破壊検査現場で簡単に染色浸透探傷剤の“浸透速度(粘性)”と“浸透性(ぬれ性)”について浸透液の液体特性を確認します。
(*JIS Z2343-1(2009)では、浸透液の形式試験認証が公的機関ではなく、製造者それぞれの試験によりますので、その詳細特性はメーカーや製品によって特性が異なります。)
構成と原理:右側2・4・6の番号表示(糎)の線で浸透液の浸透速度を確認、左側A〜Eの線は浸透液の浸透性(ぬれ性)を確認します。試験片下部のロット番号下にある液溜部に染色浸透探傷剤を滴下して後、一定時間経過後に現像処理して出現する浸透指示模様(線)の長さで、それぞれの特性を確認します。
または、既存の確認データがある場合は、右側浸透速度線の指示位置(時間)に対するA〜E線の長さ(浸透性)の変化で、浸透液の特性変化把握が試験現場で簡単に行えます。
使用方法:浸透液試験片を水平に保ち液溜の枠内から浸透液が溢れ出ない程度に浸透液を滴下して、規定の浸透時間で余剰浸透液の除去と現像処理を行います。この試験片の目的は浸透液の確認用ですが、浸透探傷試験作業の試験内容を証明する手段として、非破壊検査対象の試験部位で、CPIラベルを適用した浸透探傷試験結果と共に並べて写真撮影することで、CPIラベルを適用した浸透指示模様とその関連情報に加えて、試験に用いた浸透液の濡れ性と浸透時間について写真記録として証明できますので、キズの経時変化確認する場合の試験条件などのデータや評価の比較資料に利用できます。但し、適用にあたっては受渡し当事者間の確認協定が必要です。 
           

 指示模様出現試験片:人工キズの見え方で現像剤膜厚の状態確認


 
目的と効果:JIS Z2343-3:対比試験片は、実験室における浸透液の感度と探傷剤の特性確認が主目的であり、試験作業現場でキズ検出レベルを確認するのは困難でしたが、このキズ出現試験片は現像剤の塗付膜厚さと人工キズサイズの関係を、出現した浸透指示模様の見え方で確認出来るようにしたものです。
構成と原理: CPIラベルを適用して現像剤塗膜厚さ一定とした場合は、32に区分けした枠内の大小人工キズに対する浸透指示模様の出現状態で、キズの検出レベルと浸透液の特性を確認できます。
また、CPIラベルを用いない場合は、予め現像剤塗膜厚さと32枠内に出現するキズの有無で現像剤の塗付膜厚さの程度を確認することが出来ます。
この場合は他の手段で現像剤の塗膜厚さを確認しておく必要があります。)
目的と効果:これはCPIラベル開発以前に試験現場に於ける現像剤の膜厚さ確認方法として開発したもので、現像剤の膜厚さでキズの浸透指示模様の出現状態が異なるので、枠内に出現するキズの確認数で現像剤の塗膜厚さや染色浸透液の特性を定量化するなどして、現像剤の塗膜厚さ管理を行うものです。
使用方法:CPIラベルを用いて現像剤塗厚さを一定とした試験を行い、32枠内に浸透指示模様が幾つ出現したかで浸透液特性評価や現像剤膜厚さの管理を行なうなど、染色探傷試験技法で判断基準を定量化する目的に使用します。
写真はキズ部分を順次拡大した写真例です。)

   浸透液量試験片:浸透液の量と指示模様の関係確認
的と効果: CPIラベルを用いて現像剤の塗膜厚さを一定にして、出現する指示模様の大きさで浸透液の量を知る。または、試験片の穴の径とそこで出現する指示模様径の比率からキズの深さ(深刻度)を知るなど、試験片で浸透指示模様の直径を定量化して円形状キズの深さを推測する。
構成と原理:現像剤の膜厚さが一定であれば、浸透指示模様の面積は浸透液量に略比例するので、円錐状の穴(容量升)が時計回りに大きくなるよう配列して、その時刻位置で浸透液の量を示します。
使用方法: CPIラベルで現像剤膜厚さを管理して、試験片穴の時刻位置で浸透液の量を確認するか、出現した指示模様サイズを基準にして、試験部位キズの深刻度を推測します。

   現像レベル試験片アルミ焼き割れによる微細キズ
 
目的と効果: 焼き割れによる微細キズで浸透液の感度を確認するには、「JIS Z2343-3非破壊試験−浸透探傷試験−第3部:対比試験片」がありますが、浸透指示模様の形状が複雑で数も多く浸透液の対比試験には都合が良いのですが、検査現場で染色浸透液単独の劣化確認には難があるので、簡素な割れキズで手軽に確認する目的のものです。
構成と原理: 角形のアルミ焼き割れ試験片内のキズを分割して、浸透指示模様の出現位置状態から浸透液の感度や現像剤塗膜厚さの管理を行うものです。
使用方法: 試験片のサイズ50x50_と小型なので浸透液の感度確認ばかりでなく、検査現場で試験部位近傍に置いて試験を行なうことで、試験に用いた染色浸透液の特性も示す事ができます。また、 JIS対比試験片の様に多数の指示模様の変化でなく、ごく少数のキズで判断しますので評価や報告表現が簡単です。

地模様試験片:試験部位の地模様の影響確認見本   
目的と効果:試験部位の地模様(バックグランド)が、現像剤の塗布作業にどのような影響を及ぼすか、スマットによる地模様の中からキズを検出することの難しさを示す試験片。
構成と原理:円形アルミ焼き割れ試験片にスマットによる地模様を生じさせて、現像剤の塗膜厚さによる指示模様の観察誤認や検出感度が低下することの試験見本。
使用方法:CPIラベルの現像剤塗布レベル(基準線)に対する浸透指示模様の視認性の確認など、試験作業者の技量点検や浸透液の感度確認などに使用。
上部の黒い線は撮影時のピント補正する目的で置いたシャープペンシルの芯。)

   焼き割れ試験片:微細キズ検出感度の確認
 
目的と効果:微細なキズとそれから出現する浸透指示模様の形状を確実に確認する目的の試験片です。CPIラベルと併用して現像剤膜厚を一定にして観察することで、キズと指示模様の関係が把握できます。
構成と原理:アルミ焼き割れキズによる微細キズを発生させてから32に区分けして、それぞれのキズ位置を数字と英字で確認できる様にしたもので、出現した浸透探傷模様の位置が記号で記録できます。
使用方法:いづれも英数記号で区分けした、ごく狭い範囲で観察評価できます。
a)現像剤膜厚さ一定に於けるキズ形状と浸透指示模様の状態確認。
b)現像剤膜厚さの違いによるキズの検出感度への影響確認。
C)現像剤膜厚さ一定於ける浸透液の感度や劣化を確認。

その他の試験片: 類似欠陥の製作が困難な試験片
 
目的と効果:疲労割れ・溶接・デントやニックキズなどの欠陥は、試験標準の製作は困難なため、人工的に類似キズ製作。(a〜dの他、彫り込みやエッチングなどでキズを作り研磨してサイズを調整。)
構成と原理:試験片として用いた微細キズは、以下の方法で類似欠陥を発生。
a)アルミ焼割れ:アルミ材を加熱した物を水で急冷して罅割れを発生。
b)ステンレスの疲労割れ:ステンレス材を繰り返し折り曲げした回数で、疲労割れ発生の進展変化を発生。
C)デント・ニックによるキズ:熱処理した鋼板及び樹脂材料に衝撃を加えてキズを発生。

d)オゾンによる劣化:材料に曲げなどの負荷をかけた状態でオゾン槽に入れて制作。

   新しい非破壊検査作業の補助用品 (各ページにリンク) 

バックグランドの影響確認試験


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 I.4.欠陥と浸透指示模様と試験片
 染色浸透探傷試験は人間の目視感覚頼りの判定であるため、その判定誤差を少なくするには、試験標準となる欠陥見本や試験片を用いて、定期的な試験特性と技量の確認が必要です。試験特性や技量の確認には、染色探傷浸透液の浸透反応や浸透指示模様の出現状態から、概ね次のような傾向を校正した試験片などで確認して、常に最新の特性状態を反映できる必要があります。  各リンク元の前のページに戻るには、プラウザの「←戻る」ボタンをクリックしてください。)

1)キズの形状誤差:浸透探傷によるキズの浸透指示模様出現は、浸透液特性の誤差を除けば、キズの幅x長さx深さに貯留した容量の浸透液が、速乾現像剤の塗布により吸収された浸透液が浸透指示模様の幅x長さの面積として現れ、この時、現像剤の膜厚さにより浸透指示模様の面積を増減しますので、何よりも安定した現像剤の膜厚さ形成が正確なキズ検出の要となります。現像剤の膜厚さと浸透指示模様出現状態の確認には、F.6.3.欠陥内部の除去など試験の前準備を完全に行ってから〈キズ出現試験片〉で現像剤膜厚さの基準を決めておく必要があります。

2)円形状の大きいキズ:浸透液を多く保持(貯留)するが余剰浸透液除去時に過除去による精度誤差が生じ易いので、浸透指示模様と浸透液特性の確認にはE.5.余剰浸透液の過除去・除去不足に十分配慮してから〈浸透液試験片〉によるキズと浸透指示模様の関係確認が有効です。

3)円形状の小さいキズ:口径が小さく深い傷は浸透液の保持量が安定。ブローホールや貫通穴などに連なったキズは、極端に大きな浸透指示模様の出現になるので欠陥原因判断に役立つのですが、キズ口径の大きさと浸透指示模様の関係はF.5.現像剤膜厚さの確定で現像剤の膜厚を一定とした上で〈浸透液量試験片〉によるキズと浸透指示模様の関係確認が有効です。

4)線状のキズ:前処理が完全であれば、ごく微細なキズまで確認できますが、浸透液の浸透特性不良で指示模様が出現しない場合や、現像剤の塗膜厚さによって浸透指示模様が隠れてしまうなど、探傷剤全体の特性が影響するので、B.4.観察精度向上に必要な要素を含め試験部位の状況把握と試験片〈地模様試験片〉や〈JIS Z2343-3:対比試験片〉によるキズ検出感度の確認が大切です。

5)割れキズ:形状が複雑な線状の浸透指示模様で検出され、評価が割れの場合は殆どの工業分野が全て“不合格”の評価になるので、その形状判断は人工キズによる浸透指示模様の見本では困難です。理想は過去の不合格キズの現物を見本とした物や実際のキズの写真集と対比して確認することが必要です。
特に割れによるキズは、キズ幅に対して比較的浸透液の保持量が多いので、現像剤の膜厚さが厚過ぎると円形や線状の浸透指示模様に変形して誤認され易く、現像剤の膜厚さが薄いと連続浸透指示模様などに誤認されますので、浸透指示模様の形状とその下のキズ形状の関係を試験対象材質ごとにその特質を把握しておく必要があります。なお、実験室レベルで確認するには、試験片〈微細キズ試験片〉や〈JIS Z2343-3:対比試験片〉による確認が参考になります。

6)試験部位の荒さ:表面状態見本用試験片以外は、試験片表面は平滑に仕上っていますので、完全な余剰浸透液除去が出来ますが、試験部位が粗面やグラインダー研削面の場合は、浸透液の回りこみで擬似模様が現れますので、試験前にF.7.浸透時間と現像の温度など試験条件の注意が必要です。試験片〈浸透液試験片〉による浸透液のぬれ性確認や浸透速度が参考になります。
I.5. JIS試験片について
 染色浸透探傷試驗(PT)関連の試験片としては、JIS Z4323-3規格の非破壊試験―浸透探傷試験―第3部:対比試験片で、タイプ1〜3の3種類がありますが、これらは浸透液の感度などを試験する目的のものであって、ここで提案の現像剤の塗布厚さやキズと浸透指示模様の関係確認用とは目的が異なります。
なお、試験片についての詳細は、JIS Z4323-3規格票内の付属書に詳細仕様があります。
  I.6.試験片のメンテナンス
 アルミ製試験片の取扱いについては、ここで紹介の各種試験片のほか、JIS Z2343-3対比試験片など、校正や証明に用いる物の取扱いには細心の注意が必要です。
 特にタイプ3対比試験片の様にアルミ合金製の物は、キズや腐食の影響を受けやすいので保管・取扱いに注意が必要です。
また、真鍮製の試験片の取り扱いでは、超音波洗浄や水系洗浄剤を使用の場合は、絶対にアルミ系の容器や試験片と接触させないことと、表面の変色や艶により目視による現像剤の膜厚の見え方が大きく異なりますので、現像剤膜厚さの管理には必ずCPIラベルを使用する必要があります。

I.6.1.保管
 保管時には他の金属との接触や酸、アルカリなどの付着が無いことを確認して、試験片を良く乾燥させてから個々に紙などで包み、プラスチック製の袋か密閉容器に乾燥剤と校正記録などと共に入れて保管します。
I .6.2.汚れ確認 
 使用後は、現像剤の塗膜を完全に除去した後、試験片内に残った浸透液を完全に吸い出す目的で、まず除去液をスプレーして表面から揮発させた後、直ちに速乾性現像剤を多めにスプレーして約30分程度静置します。
その後、現像剤の塗膜を柔らかいブラシで完全に払い落としして後、除去(洗浄)液を吹きつけて10分程度経ってから、再び、除去剤を多めに吹きつけて十分濡らしてから、白いペーパータオルか濾紙を押し当てて、汚れや浸透液で色付かない事を確認して後、十分乾燥してから保管します。

 I .6.3.除去確認.
 対比試験片の汚れ除去については、JIS Z2343-2の附属書B(規定)工程管理試験B.4.2.1で規定されています。
ここではI. CPIラベルの実証に用いた試験片についての除去確認方法で、特に繰り返し試験の誤差を最小とするなど試験片の品質管理の面から、より完全な除去のため小型の超音波洗浄機で除去をしました。
 この場合、超音波洗浄に用いた洗浄剤による影響で割れキズなどに影響を与えない事と、腐食から保護するために良く乾燥しての後、浸透探傷液用の除去剤を再度スプレーして良く乾燥する必要があります。
 なお、環境保護の面から溶剤代替の水系洗浄剤が多く使用されていますが、水系洗浄剤の場合は洗浄完了の後、良く水でリンスして完全な乾燥処理がなされませんと、試験片のキズ内部に染み込んだ水系洗浄剤が十分乾燥しません。この場合はメタノールやIPA(イソプロピルアルコール)など水溶性の低沸点溶剤に浸漬置換して除去乾燥するか熱風などで強制的に乾燥して後、シリカゲル等の乾燥剤を入れた密閉容器で保管します。
*注意:溶剤除去性の除去剤として多く使用されているnヘプタンは、水には溶解しませんので、水系洗浄剤が染み込んだキズ内の汚れや水分を取り除く事はできません。
*注意:複数の試験片を除去・洗浄する時は、必ず同種の金属のみで行い試験片の材質が異なる場合は、洗浄液の全てを新たに取り替えて行います。特にアルミ材質と真鍮材質などは除去・洗浄ばかりでなく保管時にも接触を防ぐ必要があります。
 I.7.校正
 自作した試験片などの校正は、関連の規格全般で示す水準や原則と同等以上の特性を備る必要があります。
ここに紹介の試験片は何れも簡単な構造であり、基本単位が時間・温度などで裏付け確認ができます。
試験片の確認例として、CPIラベルの記入欄に、・Work:試験片の校正・Place:試験片の番号・No.: 校正記録の番号または校正日付を予め記入して、カバーシールを貼り戻して校正記録の準備をしておきます。
 次に、完全に除去・乾燥した試験片に規定の温度条件(*)で浸透液を適用して規定時間浸透した後、CPIラベルと並べて配置して、現像剤塗布基準線番号Cまで現像剤をスプレーして、塗布基準線番号の数字Cの現像剤を綿棒などで拭い取り(定着)して後、規定の現像時間まで経過した時点で写真撮影します。これにより、写真が試験片の最新の状態を反映した基準写真になるので、定期的に校正目的の写真撮影を行うことで、試験片に劣化があっても校正の試験評価には影響しません。
 なお、基準線番号Cは現像剤の塗布厚さの中間であることの例示なので、通常指定する番号の使用でも差し支えありません。
大切なことは、校正に用いる探傷剤は必ず規定の組合せであって品質管理してある物を使用することと、B.6.1.現像剤塗膜厚さの定着の説明とおり現像剤をスプレーするときに、塗布基準線の隠蔽状態に注意して定着のタイミングを逃さないことです。
 定着のタイミングは、現像剤のスプレー直後の透明状態から溶剤が揮発して白色に変化して、塗布基準線が隠れた状態を目視角度30〜60°で確認した時点を“定着”として判断します。
また、JIS Z2343-3対比試験片-タイプ3を校正する場合も同様の手順で写真を残す事で、校正証明することが出来ますが、試験片内の模様が複雑で判別し難い場合は、CPIラベルにより現像剤膜厚さレベルを2−4−6などのように、浸透指示模様の出現状態を段階的に変えて確認することで、正確な試験片校正ができます。  (*)試験が中高温または、低温による試験の場合には、前もってCPIラベルを貼付けしてから探傷試験を行います。(結露の影響や火傷防止のため。)
I.8. 参考 ・注意
 CPIラベルを染色浸透探傷試験に適用して、その特性や効果を確認実証するには、これまでに無かった技法で試験することから、既存の規格手順から逸脱が生じない様に、新しい手法を補足追加する必要があります。
ここでは、既存の規格規定に対して重複や影響を及ぼすことなく、CPIラベルを使用して検査精度向上への実験が、容易にできることを目的に各種の実証用試験片を公開したものです。
 これらのことから公開内容を参考に自己製作した試験片の場合、その特性確認や校正方法が規格化されていない物であり、第三者機関による確認と同等な検査を行った正当性を保証するためには、既存規格等に拘ることなく、その仕様に基づく校正方法で確認を行う必要がありますので、以下の点に注意してご利用下さい。
a)なるべく時間・温度・長さなどの計量標準にトレース可能な基準単位に照らして校正又は検査を行う。
b)標準が存在しない場合には、校正又は検査に“対比”や“雛形”など安定な基準を使用する。
c)定性的変化の校正には、明示可能な計量標準を付した写真記録で証明する。
d)校正の状態が明確に証明できるよう写真記録や識別の条件を規定する。
e)結果が無効にならないように、校正の手順と共に履歴と記録を保存する。
f)使用、保守、保管において、損傷及び劣化が生じないように保護する。
g)これらの確認は、最初に使用するのに先立って実施し、必要に応じて再確認する。
 CPIラベルには、非破壊検査関連のJIS規格や業界団体などの対応規定、基準はありません。
これら基準や試験片の適用は、試験の要求者が納得したうえ当事者間で決めることができるとも言えますが、検査の受け渡し当事者間で協定や契約があるとすると、それは第三者に対しても、納得できる品質保証内容であることが必要です。ここに提案の実験を超える目的用途に適用の場合は、その証明も必要ですのでご注意下さい。
 以上、BANSEI®の理念である「提案しながらのお付き合い」に基づき、染色浸透探傷試験におけるCPIラベル適用のノウハウをweb公開して、検査品質向上に向けての応用・改善のヒントとしてお役立て頂く目的で実験を提案するものです。
なお、web公開の写をはじめ試験片等にロゴマーク刻印が在る無しに関わらずBANSEI®の知的財産であることにご配慮の上ご利用下さい
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