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危険場所で移動使用する防爆照明

防爆機器の規格や指針にない安全対策の例


 防爆機器は防爆規格に基づき製作・試験して認証されますので同一規格内容の防爆機器であれば、同じ危険場所レベルの爆発性雰囲気内で使用できます。

 しかし、防爆照明灯にあっては、設置や使用状況によって維持管理や危険遭遇率に違いが生じるので現場作業者は防爆の知識と注意が必要です。


 以下は、防爆型照明を実際に取り扱う現場先輩からの声を基に、これから実務を学ぶ皆さんに「移動して使う防爆型照明」に限って、防爆機器の規格・規則や指針にはない安全対策のポイントです。



暗闇のガス漏れ箇所など、危険遭遇内容もいろいろ


●固定設置と移動使用の危険遭遇の違い
 

 防爆型照明は、その危険度レベルに適合した防爆の規則により設置します。しかし、同じ防爆規則ながら固定設置するものと移動用照明灯では、大まかに次のような違いがあります。

   ★固定設置:照明周辺の危険レベルが一定・・・・・電源供給は配管等で配線が保護されている。

  
 ★移動使用:照明の移動で危険レベルが変化・・・電源供給はキャプタイヤケーブルまたは乾電池。


 このことは、同じ爆発性雰囲気の危険場所内であっても、移動や携帯して用いる物と施設などに取り付け固定した防爆型照明灯では、危険への遭遇確率が大きく異なることになります。



●ガスの滞留など想定外の危険場所に接近

 同じ危険度区域内の施設であっても、ガス蒸気の比重によってはダクト・ピット・隔壁・カバーなどの構造やその位置関係で滞留濃度(水素などは上部)が異なった爆発性雰囲気になるので、移動して使う照明灯の危険度レベルは移動範囲内で推測できる最高レベルの危険度に対応する必要があります。

 危険場所とは、爆発性雰囲気の場所における危険度レベルによって3通りに分かれます

  ★0種場所(Zone0危険雰囲気が通常の状態において連続または長時間持続して存在する場所。

  ★1種場所(Zone1危険雰囲気が通常の状態において危険雰囲気を生成するおそれがある場所。

  ★2種場所(Zone2):危険雰囲気が異常な状態において危険雰囲気を生成するおそれがある場所。



●ケーブルなどの移動による劣化損傷の危険


 移動によるケーブルへの影響は、当然ながら固定設置の照明灯には起き得ない原因であり、如何に高度な規格の製品であっても現場作業者の知識と経験に依存しながら安全対策する他はありません。つまり、作業者自身の判断能力が安全性を決めます。

電源ケーブルに下図のような異常が発見された時は、その程度の良し悪しに拘らず直ちに使用禁止します。

傷・罅割れ

膨らみ・皺

伸び・細り

繋ぎ・補修痕



●移動による物の見え方や変化への対応 

  防爆照明灯の移動で生じる変化としては、グレアや影の影響と危険物への接近限界距離 (012/Zoneの場所)に注意が必要となります。 

 特に防爆機器は発熱温度やエネルギー量に厳しい制約があるので、作業に十分な明るさ確保が困難であり対象危険物の危険度によっては一定距離までにしか接近できません。

防爆機器の発熱温度は発火度及び温度等級として規定され、防爆照明器具などの表面に可燃性ガスや蒸気が触れて発火しない温度を発火度と言い、温度の範囲選択はガス種類の発火点温度によります。
 なお、温度等級で示される技術的基準の温度とは、防爆機器の表面最高温度のことです。



●光源の種類と色の見え方や警告表示内容

 明るさ不足を補う目的で防爆型の懐中電灯を補助照明として使う例が多くあります。この場合、LEDなど光源の種類によって色の見え方が異なります。特に危険場所に於ける緊急事態では咄嗟の判断に誤りがあってはなりませんので、ケーブルや配管・ボンベの色別、及び、警告ラベルの警告色は必須の確認条件です。

 作業灯の光の種類によって物の色が異なって見えますので、光源の演色性に注意が必要です。
 移動使用する照明灯では、修理・点検・検査など不特定の場所で直近の物を目視して判断するのですから、作業現場における警告色識別色など、警告表示をはじめとする配線色・配管色・容器/ボンベ色などは、照明器具の導入時点でその見え方を確認しておく必要があます。

確認が必要な例としては、

 【回路の識別】・・・ 電線や配管の色 : グレーや空色などの中間色や本質安全防爆回路の配線色に注意。

 【容器の識別】・・・ 
ガスボンベの色 : 赤(水素) ・アセチレン(褐色) ・グレー(プロパン)などの見え方。


 【警告表示】・・・・・ 警告ラベルの色 : 赤と黄赤や黒 ・黄色とオレンジや白 ・緑と青や黒などの見え方。


JIS安全色:赤 JIS安全色:黄赤 JIS安全色:黄


●真っ暗闇の事故予防などの安全対策

 危険雰囲気内で停電や故障は、簡単に修復できない場合が多く絶対にあってはなりません。
これらの安全対策としては、複数の防爆照明灯に別回路から給電する対策のほか、防爆型懐中電灯を使用する場合は、万が一のランプ断線や停電に対応できる様にランプがツインライト方式で切替え点灯できる物や暗闇で防爆型懐中電灯の所在を示す蓄光や発光機能がついた製品が必要です。

防爆機能にプラスした安全対策例

@ハロゲン球のメインランプ A切替て側面照明の白熱電球 B暗闇で置き場所確認できる蓄光樹脂の
  ほか防塵・防水のIEC保護等級IP-66と万全の安全対策された防爆懐中電灯の例。 



●欠かせない始業前点検と防爆の基礎知識

 防爆施設や機器の安全確保には、始業前の点検と常時保全が欠かせません。知識・経験そして慎重な確認行動など 安に居て危を思う 備えが大切です。

防爆機器の取扱いを一言で言えば、

 一般の機器と違って“防爆機器は使用前の安全確認”が重要であり、“一般の機器は故障したら修理”であっても許される違いといえます。防爆構造電気機械器具の取扱い上の注意概要については、防爆機器の取扱注意と保全 をご覧ください。



●気軽に認識できて記憶に残せること。

 常に安全に関わる基礎知識をはじめ最新の情報把握が大切です。webが広く普及した現在、web検索の利用で情報収集しておく事をお奨めします。

 なお、banse.comでは規格規則が変わらずとも I T時代の生産現場や漫画世代の管理職など管理運用者が変わった今、易しい資料を漫画で説明するなどして 安全に関わることは気軽に認識できて記憶に残せること を目標にした「漫画の
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