LANケーブルの移動と静電気

LANケーブルの移動使用と静電気帯電の問題と安全対策
(3安全対策ツールの実例

ネットワーク機器設置や配線作業でLANケーブル布設時の静電気帯電問題について情報を得たのは、弊社LANケーブルリールユーザ様からの問合せにおいて「展示会場で布設中のLANケーブルをHUBに接続したとき故障(ラッチアップ?)が発生した際です。
 
LANケーブルを接続換えするまでは正常に動作していたので、静電気の影響ESDと思われる。念のため未接続LANケーブルのRJ45プラグのピンに低電圧用の検電ドライバー触れてみたところ“両端が接続されていない状態なのに帯電している。何故!?”と言うご相談でした。

移動すると静電奇が起きる!!

 ・・・そこで、汎用LANケーブルに限った静電奇!について、
 (1)
移動と静電気帯電
(2)静電気除電とアースについて述べると共に、現場でできる(3安全対策ツールの実例です。
  
ここに紹介の静電気除去ツール(除電ツール)は、何れも身近にある部品などを利用して製作できるように、製作例の写真と
 共に必要部品と製作方法を記載してありますので、お仕事の内容にあわせてご利用ください。
 
なお、部品調達や製作が困難な場合は、「なかまぼっくす®」仲間による
4静電気除去ツール既成製品をご利用ください。
  ▲文中カッコ内の文字は関連情報をweb検索で把握するための検索キーワードです。
  専門用語など、詳しい説明が必要となったときは主要な検索エンジンの検索枠に 
カッコ内の文字を入力して検索アクセスして、説明の補足としてください。)

目先のことより
移動使用するLANケーブルのESD対策には(2)静電気除電とアースで述べたアース(接地)に繋がる回路が大変重要であり、目先の部分的なアース接続よりも大地や建物床面など全体の電荷の流れを考える必要があります。

1本毎の除電作業

能率的で安全な除電ツール

説明と写真は、実際にLANケーブル布設やシステム管理をしている皆さんからのアイデアや実例の紹介です。

簡単だが忍耐必要・・・・除電ブラシを使う方法
 
最も簡単な方法として、静電気除去用の除電ブラシを用いてESD対策する方法です。
除電ブラシには色々な種類がありますが、なるべく柔らかい導電繊維で出来たブラシで、アース線が付属している物を使用するか、アース線が付いていない場合は
静電気除去用のリストストラップを腕などに付けて、アース用のリード線を接続する機器ケースの金属部分か電源コンセントの接地端子に接続した状態で除電作業を行います。
 除電作業の方法は、LANケーブル端末の
RJ45プラグのピン部分にブラシの導電繊維を数回、出来るだけ長い時間接触させるだけです。この場合の注意として、LANケーブルに帯電している電荷の状態と除電ブラシの性能にもよりますが、ブラシをRJ45プラグの8本のピン全部に対して、延べ接触時間(*)を最低60秒以上は触れさせる必要があります。

静電気除電用のブラシを利用して除電

 なおLANケーブルを接続する機器の接地端子には、必ず(2)静電気除電とアースの表、a)〜d)種接地、何れかのアースに対して完全に接続されていることが大切です。
 
(*)除電ブラシに使われている導電繊維材質の抵抗値とLANケーブルへの静電気帯電量によって除電時間も異なります。

簡単に手作りできてローコスト・・・・超短時間に除電できる。
 LANケーブルの取扱い数量が多く、除電作業を手早く行うのに最適な手作りの除電ツールです。
必要な材料は、長さ1〜3m程度の使い古ししたLANケーブル1本とアース接続用の大型ワニ口かミノ虫クリップ1個、及び、LANケーブル延長用コネクタ1個だけです。
 作り方はLANケーブルの片端の
RJ45プラグを取り去り、LANケーブルの芯線8本全てをアース接続用のクリップに半田付けなどで接続、反対側のRJ45プラグにはLANケーブル延長用コネクタを差込むだけで完成です。
 使用するLANケーブルは、カテゴリ5以上であればストレート及びクロスのどちらでも良いのですが、必ず撚り線タイプであって断線が無いことを確認して選んでください。


短時間に除電できるがショート事故に注意

 この除電ツールを使用する上で注意が必要なことは、必ず、LANケーブルの両端がネットワーク機器などに接続していない状態でしか使用できないことです。誤って稼働中の機器に繋がっているLANケーブルに、この除電ツールを接続しますとRJ45プラグのピン8本全てが短絡状態になっていますので、接続してあるネットワーク機器が全てショート状態となる危険があります。
 なお、この除電ツールはLANケーブルの芯線8本全てが直接アースに接続されますので、除電は瞬時に行われ作業性が抜群に良く、配線施工業者やシステム管理者がよく使用している簡易除電ツールです。

安全な除電ツール・・・・保護抵抗を組み入れて除電
 稼働しているネットワーク機器の
RJ45モジュラジャックに除電ツールを誤って差し込んでも短絡事故が起きないように、回路保護と静電気放電目的の高抵抗(1MΩ)8本を組み入れた除電ツールです。
 製作用の部品としては、露出型の1個口モジュラーローゼット(別名:データゲートボックス:ネジ式でCRが付いていない物)が1個、適当な静電気保護用リスト ストラップ一式、保護用抵抗(1MΩ・1/8W8本、大型ミノ虫クリップ1個、アース線2〜3mなどです。
 製作は
RJ45モジュラジャックのピン1本毎に保護抵抗を介してアース線に接続するだけの簡単回路です。

安全な除電ツール

1個口用除電ツールの内部

 この除電ツールは、写真の通り小型であり手持ちして使えますので、静電気保護用リストストラップのアースリード接続のバナナプラグの受け口を組み込んで、アース接続が共用できるようにしてあります。
 なお、
除電ツールを使用してLANケーブルの除電作業を行う時に注意が必要なことは、静電気放電用の抵抗が1MΩと高抵抗であるため、LANケーブルの長さと帯電状態(*)によって、完全に静電気帯電が放電(除電)されるまでには約30〜60秒程度の時間が必要です。
(*)静電気放電用抵抗の抵抗値とLANケーブルの静電容量、及び、静電気の帯電量による時定数によって除電時間が異なります。

能率的で安全な除電ツール・・・・4本のケーブルを同時に除電
 除電作業の作業能率を図る
目的からLANケーブル接続口を4個にしたもので、除電の能力は1個口用と同じです。
製作用の部品としては、露出型の4個口モジュラーローゼット(固定用のマグネット付が便利)1個、適当な静電気保護用リストストラップ一式、保護用抵抗(1MΩ・1/8W)32本、大型ミノ虫クリップ1個、アース線2〜3mなどです。

4本のケーブルを次々と除電 4個口用除電ツールの内部

 製作は4個口のRJ45モジュラジャックのピン1本毎に、それぞれ保護抵抗32本を介してアース線に接続する回路ですが、32本の抵抗器それぞれのリード線が互いに接触しないよう配線時に注意が必要です。
 なお、このツールも静電気保護用リストストラップのアースリードを接続するバナナプラグの受け口
(*)を組み込んで、アース接続が共用できるようにしたほうが便利です。(*)左写真の左側面がアース接続線。右側面がブルーのバナナプラグ
 この除電ツールを使用してパッチケーブルなど多量のLANケーブルを除電作業する時は、4個の接続口に夫々のLANケーブルを接続した順で、次々と接続換え作業を行うと約1分間で一巡します。つまり、LANケーブルの完全な放電時間、約1分を気にすることなく除電作業をすすめることが出来ます。

除電ツール使用上の共通した注意 
 最も注意が必要なことに“LANケーブルは接続しなくても自然に静電気帯電する。”問題があります。その静電気帯電の
エネルギーは、LANケーブルを引き回すなどの摩擦による帯電より低いと思われますが、除電した直後から徐々に帯電が始まり、時間と共に帯電電圧も高まってきます。
 この自然に静電気帯電する原因は明らかではありませんが、試しに点灯した蛍光灯を近づけますと急速に帯電電圧が高まりますので、おそらくケーブル周辺からの電磁波や
静電誘導などが原因と思われます。ですから、除電ツールで除電したLANケーブルはなるべく早く機器に接続するなどして、電荷が再び蓄積しない様にしておく必要があります。つまり、LANケーブルの両端がネットワーク機器に接続されてしまえば、LANケーブルが帯電することはありません。
 
次に大切なことはツールの機能点検の励行です。ごく簡単な構造ですので故障は少ないと思われますが、発生し易い原因としては
RJ45モジュラジャックやコネクタなど、接続部の接触不良やケーブル断線及び、保護用抵抗器取り付け部の端子ネジの緩みが考えられます。
 これらは使用頻度や取扱い状態から一概に言えませんので、常にリストストラップの
保護抵抗値と共に定期的な保護抵抗値チェックが必要です。このほか、除電ツールのアース線接続は、必ずネットワーク機器のアース端子が施設の接地端子に接続されていることを確認してから作業開始するなど、静電気除電のための完全なアース回路が成り立っていることを常に確認しながら作業してください。

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では、製品を導入して頂く検討段階で資料・情報などを把握して頂き、最良の選択をして頂くよう努力しています。  

 
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